2017 / 06
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芸大を卒業してすぐにプロの画家として生活していけるわけはないから、なるべく長く学生で居る必要がある。と言うことで大学院に行くことになるのだが、学科があるわけでもなく、出欠席も関係なく、ただ描く場所が確保されるだけですが、大学院に残れたのは幸いだった。

あるとき友人の清重君が構内の掲示板でフランス政府留学生の募集の張り紙を見つけて、一緒に受けてみようと言った。一応外国語はフランス語を取っていたものの、自分の力でフランスに行くなんて出来るわけがないと思っていたから、「へぇー、タダでフランスに行けるんだ。」と言う軽いノリで受けてみることに。

とは言うものの願書はフランス語で書かなければ、、、幸いカナダ人のカロン神父が聴講生として芸大に来ていたので、全部彼に書類を作ってもらって、、、でも、神父なのに芸大に来てヌードを描いているなんて、ちょっと不思議な感じです。それはともかく絵も適当にあるものを提出して、、、でもフランス語のテストもあるらしい、、、、まあ、だめもとだから、0点でも仕方がない。

ということで全くの準備不足で受けたのだが、当然落ちてしまった。だが、しかし、審査委員長のドランデール教授が僕の絵を気に入ってくれて、来年は受かるからフランス語を6ヶ月勉強しなさいとのこと、、、、受かると分かっているなら勉強しますとも。

お茶の水の「アテネ・フランセ」へ通いましたが、お茶の水は浪人のとき通った場所で、アテネ・フランセのある通りにはマロニエの並木があって、少しフランスが近くなった気がした。


萩原朔太郎の「純情小曲集」より

  旅上

  ふらんすへ行きたしと思へども
  ふらんすはあまりに遠し
  せめては新しき背廣をきて
  きままなる旅にいでてみん。
  汽車が山道をゆくとき
  みづいろの窓によりかかりて
  われひとりうれしきことをおもはむ
  五月の朝のしののめ
  うら若草のもえいづる心まかせに。

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ルドン「ペガサス」

フランスの歌曲の作曲のデュパルクはあまり気に入らなかった作品を破棄してしまって、ほんのわずかしか残っていない。中でも有名なのは「旅へのいざない」で、歌よりもピアノのパートが印象的です。

フランスの男性バリトン歌手は本当に不毛で、スゼーなども若いときはともかく、近年の録音はどうも歌い方が好きになれない。

シャルル・ボードレールの散文詩の一節から。

   ご覧、あの船の着く岸を。
   そこにたどり着いて眠るさすらいの船。
   遠く世界の果てから船がそこに集まっているのは、
   君のささやかな望みを叶えようと、それを願ってのため。
   沈みゆく夕陽は、野にも川にも町にも金と紫の光をふりそそぐ。
   世界は熱い光に包まれてまどろんでいる。

   ああ、かの地にあるのは、秩序と美、豪奢、静けさ、そして悦楽。

今日の音楽はスゼーの若い頃と思うが、ピアノのボールドウィンとともに素晴らしい演奏です。

L'Invitation Au Voyage

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Kazan

Author:Kazan

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宇藤華山(カザン)
東京芸術大学及び同大学院卒業 フランス政府留学生としてパリ高等美術学校で学ぶ。シャンソン歌詞の翻訳をしながらシャンソンを歌う。

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宇藤カザンのホームページ

英国の庭園とコッツウォルズ、フランス花景色、水彩画作品を紹介。

http://utokazan.jp

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