2017 / 10
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バルバラ Barbara の「ナントに雨が降る」"Nantes" です。原題は単に「ナント」ですが、この曲は彼女の父に対する複雑な心情が表れているはずだと思われる彼女の代表的な曲の一つでしょう。

彼女は1959年に父を亡くし、1963年にこの曲を作りましたが、バルバラの自伝の中で体調を崩しながら一年かけてやっとの思いで生み出した曲というのがこの「ナント」ではないかと思います。それだけに悲痛な叫びが聞こえて来るようで、聴いていていても胸に迫るものがあります。

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Nantes  Barbara  ナント  バルバラ

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Nantes  ナントに雨が降る      《宇藤カザン訳》

Il pleut sur Nantes
Donne-moi la main
Le ciel de Nantes
Rend mon cœur chagrin

ナントの街に雨が降る
私に手を差し伸べて
ナントの空は私の心を悲しくさせる

Un matin comme celui-là
Il y a juste un an déjà
La ville avait ce teint blafard
Lorsque je sortis de la gare
Nantes m'était encore inconnue
Je n'y étais jamais venue
Il avait fallu ce message
Pour que je fasse le voyage:

今日と同じようなある朝
ちょうどもう一年前のことだけれど
駅を降り立つと街はどんよりと曇っていた
今まで訪れたことがなかった街
私にとってナントは見知らぬ地だった
この伝言が届いたがために
私は旅立たなければならなかった

"Madame soyez au rendez-vous
Vingt-cinq rue de la Grange-au-Loup
Faites vite, il y a peu d'espoir
Il a demandé à vous voir."

「マダム、お待ちしています。
ラ・グランジュ・オ・ル通り25番地です。
お急ぎ下さい、危篤です。
彼はあなたに会いたがっています。」

A l'heure de sa dernière heure
Après bien des années d'errance
Il me revenait en plein cœur
Son cri déchirait le silence
Depuis qu'il s'en était allé
Longtemps je l'avais espéré
Ce vagabond, ce disparu
Voilà qu'il m'était revenu

彼の長年の彷徨の末、最後の最後に
沈黙を引き裂くような叫びをぶちまけて
私のところに戻ってきた
彼が去って行った時から
ずっと私は会いたいと待ち望んでいたのに
この行方不明の放浪者が
ようやく私のところに戻ってきたというわけなのよ

Vingt-cinq rue de la Grange-au-Loup
Je m'en souviens du rendez-vous
Et j'ai gravé dans ma mémoire
Cette chambre au fond d'un couloir

ラ・グランジュ・オ・ル通り25番地
あの再会の時のことを思い出すわ
そして廊下の奥のこの部屋の情景を
私は心に刻んだ

Assis près d'une cheminée
J'ai vu quatre hommes se lever
La lumière était froide et blanche
Ils portaient l'habit du dimanche
Je n'ai pas posé de questions
A ces étranges compagnons
J'ai rien dit, mais à leurs regards
J'ai compris qu'il était trop tard

暖炉のそばに座っていた
4人の男が立ち上がるのを私は見た
冷たい青白い明かりに照らされて
彼らは教会に行く時の服を着ていた
私はこの奇妙な付き添い人に
一言も発しなかったけれど
何も問わずとも彼らの目を見れば
間に合わなかったのだということが察せられた

Pourtant j'étais au rendez-vous
Vingt-cinq rue de la Grange-au-Loup
Mais il ne m'a jamais revue
Il avait déjà disparu

私はラ・グランジュ・オ・ル通り25番地に
会いに来たのだけれど
彼は最後まで私と会うことはなかった
既に亡くなってしまっていたのだから

Voilà, tu la connais l'histoire
Il était revenu un soir
Et ce fut son dernier voyage
Et ce fut son dernier rivage
Il voulait avant de mourir
Se réchauffer à mon sourire
Mais il mourut à la nuit même
Sans un adieu, sans un "je t'aime"

そう、あなたが事情を知ってのとおり
ある晩彼は戻ってきたの
それは最後の旅だった
最後に行き着く岸辺だった
彼は死ぬ間際に
私の微笑で心を温めたかったのだが
彼はその夜のうちに
別れも告げず
愛しているとも言わずに息を引き取った

Au chemin qui longe la mer
Couché dans le jardin des pierres
Je veux que tranquille il repose
Je l'ai couché dessous les roses
Mon père, mon père

海沿いの道の
石の並ぶ墓地に横たわり
彼が安らかに眠るようにと願い
私は彼の遺体に上にバラの花を手向けた
お父さん、お父さん

Il pleut sur Nantes
Et je me souviens
Le ciel de Nantes
Rend mon cœur chagrin

ナントに雨が降る
私は思い出すわ
ナントの空は私の心を悲しくさせる

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実はこの曲の中のラ・グランジュ・オ・ル(狼納屋)という通りはバルバラの創作で実在しませんでした。ナントを訪れる観光客がこの通りを頻繁に尋ねるので、ナント市民はラ・グランジュ・オ・ル通りを作ってしまい、1986年にバルバラが俳優のジェラール・デパルデュと Lily passion の公演のためにナントを訪れた折に除幕式が行われました。下はその時の模様を報じた動画です。

Rue de la Grange-au-Loup


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Kazan

Author:Kazan

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宇藤華山(カザン)
東京芸術大学及び同大学院卒業 フランス政府留学生としてパリ高等美術学校で学ぶ。シャンソン歌詞の翻訳をしながらシャンソンを歌う。

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宇藤カザンのホームページ

英国の庭園とコッツウォルズ、フランス花景色、水彩画作品を紹介。

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