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モンマルトルの丘でサン・ヴァンサン通りが出てきたのでイヴ・モンタンの歌う「サン・ヴァンサン通り」を訳してみよう。結構楽かなと思ったら一ヶ所とても難しいところがあった。

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まずこの「バラ娘」と呼ばれる孤児の少女は何をしていたかと言うことだが、街角に立って客を取っていたと思われる。キャバレー、オ・ラパン・アジールはソール通りとサン・ヴァンサン通りの角にあり、画家や文士のたまり場であったから、1900年代初頭のモンマルトルのこのあたりは盛り場で娼婦もたくさんいたに違いない。

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また歌のタイトルの「サン・ヴァンサン通り」はユトリロが1910年代にたくさん描いているから、歌の娘が生きていた時代と一致する。ベル・エポックの他の多くの画家も描いた通りで、寂しい感じの未舗装の坂道にしか見えない。上の写真の標識は左がソール通り、右がサン・ヴァンサン通りを示しているので、娘はこのあたりに立っていたのだろう。また一番下の写真のオーベルジュの左側のソール通りを下るとオ・ラパン・アジールのあるサン・ヴァンサン通りに出る。

Rue St Vincent イヴ・モンタンの「サン・ヴァンサン通り」


Rue St Vincent サン・ヴァンサン通り

Elle avait sous sa toque de martre,
sur la butte Montmartre,
un p'tit air innocent.
On l'appelait rose, elle était belle,
a' sentait bon la fleur nouvelle,
rue Saint-Vincent.

モンマルトルの丘で
まだ面影に幼さが残る
毛皮の帽子の娘は
美しく「薔薇さん」と呼ばれ
初々しい花の香りを漂わせていた
サン・ヴァンサン通り

Elle avait pas connu son père,
elle avait p'us d'mère,
et depuis 1900,
a' d'meurait chez sa vieille aïeule
Où qu'a' s'élevait comme ça, toute seule,
rue Saint-Vincent.

彼女は父親を知らず
母親は亡くなり
1900年から祖祖母の家で
たった一人でそこで亡くなるまで暮していた。
サン・ヴァンサン通り

A' travaillait déjà pour vivre
et les soirs de givre,
dans l'froid noir et glaçant,
son p'tit fichu sur les épaules,
a' rentrait par la rue des Saules,
rue Saint-Vincent.

生活するために
霧氷の夜も
暗く氷のように凍てつく寒い夜も
三角形のショールを肩に
ソール通りへと出かける
サン・ヴァンサン通り

Elle voyait dans les nuit gelées,
la nappe étoilée,
et la lune en croissant
qui brillait, blanche et fatidique
sur la p'tite croix d'la basilique,
rue Saint-Vincent.

彼女は凍てつく夜に
天を覆う星と
教会の上の小さな十字架の上に輝く
運命を決めるような白い三日月を見ていた
サン・ヴァンサン通り

L'été, par les chauds crépuscules,
a rencontré Jules,
qu'était si caressant,
qu'a' restait la soirée entière,
avec lui près du vieux cimetière,
rue Saint-Vincent.

燃えるような黄昏の夏
彼女はジュールに出会った
彼はとても優しく
古い墓地のそばで夜通し彼と過ごした
サン・ヴァンサン通り

Et je p'tit Jules était d'la tierce
qui soutient la gerce,
aussi l'adolescent,
voyant qu'a ne marchait pas au pantre,
d'un coup d'surin lui troua l'ventre,
rue Saint-Vincent.

けれどもまだ若造のジュールは
娼婦のヒモの仲間で
客を取ろうとしない彼女を
短刀で刺し貫いた
サン・ヴァンサン通り

Quand ils l'ont couché sur la planche,
elle était toute blanche,
même qu'en l'ensevelissant,
les croque-morts disaient qu'la pauv' gosse
était crevé l'soir de sa noce,
rue Saint-Vincent.

彼女が板の上に置かれた時
彼女は蒼白だった
埋葬人たちは可愛そうな娘は初夜に
殺されたんだと葬りながら語った
サン・ヴァンサン通り

Elle avait une belle toque de martre,
sur la butte Montmartre,
un p'tit air innocent.
On l'appelait rose, elle était belle,
a' sentait bon la fleur nouvelle,
rue Saint-Vincent.

モンマルトルの丘で
まだ面影に幼さが残る娘は
きれいな毛皮の帽子を持っていて
美しく「薔薇さん」と呼ばれ
初々しい花の香りを漂わせていた
サン・ヴァンサン通り

111009u.jpg

一番難しかったのは voyant qu'a ne marchait pas au pantre の部分で pantre は pante と同じで、ブルジョアのカモ=娼婦の客の事のようだ。

d'la tierce の tierce も元の意味は3分の1なので困ったが、あてずっぽうで手下、または一味の事かなと思った。ジュールがチンピラであることは間違いないでしょう。

次に sur la planche を板とするか床とするか迷ったが、死骸を板に載せて埋葬するのが当時の風習だったのではないかと推察する。

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Kazan

Author:Kazan

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宇藤華山(カザン)
東京芸術大学及び同大学院卒業 フランス政府留学生としてパリ高等美術学校で学ぶ。シャンソン歌詞の翻訳をしながらシャンソンを歌う。

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宇藤カザンのホームページ

英国の庭園とコッツウォルズ、フランス花景色、水彩画作品を紹介。

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